公開日:2013.08.12
【副作用】
抗がん剤による副作用のセルフケア(5):末梢神経症状(しびれ)
抗がん剤はがん細胞に作用するだけでなく、正常な細胞へも影響を与えるため、副作用が現れることがあります。
そのため、抗がん剤治療を行うときには、副作用を軽減させる薬を用いることがあります。
また、患者さんが日頃からセルフケアを心がけることでも、副作用の予防や症状の軽減が期待できます。
「大腸がんトピックス」では、治療中に現れやすい副作用のセルフケアについて紹介していきます。
今回は、大腸がん治療で起こる末梢神経症状(しびれ)のセルフケアについてご紹介します。
原因
末梢神経症状(しびれ)が現れるメカニズムははっきりとはわかっていませんが、神経細胞が障害を受けることが原因だと考えられています。
特定の抗がん剤で起こりやすい副作用で、大腸がん治療で用いられる一部の抗がん剤でも起こることが知られています。
症状
- ・ 手や足、口の周りがしびれる、痛む
- ・ 食べ物や飲み物が飲み込みにくい
など
症状が強くなると、洋服のボタンをかける、物をつかむ、文字を書く、歩く、靴を履くなどの動作がしにくくなることがあります。
なお、氷の入った飲み物のグラス、ドアノブやハサミといった金属製品など、冷たいものに触れると症状が出やすくなると言われているため、注意が必要です。
検査ではわからない症状なので、違和感があれば早めに医師に伝えましょう。
早めに対処することが重要です。
セルフケア
- (1)体を冷やしたり、冷たい物に触らないようにしましょう。
- ・ 冬の外出時にはマフラーや手袋などを着用し、夏はエアコンの冷気に気を配りましょう。
- ・ 冷蔵庫から物を取り出すときや金属製品を使うときは手袋をつけ、直接触れないようにしましょう。
- ・ 飲み物は常温か温かいものにして、氷やアイスクリームは口にしないようにしましょう。
- ・ 靴下などを履き、冷たい床を裸足で歩くのを避けましょう。
- (2)手や足の裏の感覚が鈍くなっているため、けがややけどに注意しましょう。
- ・ 包丁やはさみを使用するときは、けがに注意しましょう。
- ・ 自分にあった靴を選び、転倒に注意しましょう。
- ・ カイロや湯たんぽを使用するときや、コンロやストーブの近くにいるときは、やけどに注意しましょう。
- (3)ぬるめのお湯での入浴、手足を動かす運動、マッサージなどで、症状が軽減できる場合があります。
抗がん剤による副作用のセルフケア
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