大腸がんの「ステージ」
公開日:2012.03.30更新日:2019.11.06
進行度を表す5段階ステージ(病期)
大腸がんの治療方針を決めるうえで、がんがどれくらい進行しているか(進行度)を精密検査で調べ、正しく把握することは、とても重要です。
進行度を把握するためのポイントとなるのは、次の3つです。
1. 大腸の壁にどれだけ深く入り込んでいるか
大腸がんは、大腸の壁のもっとも内側にある粘膜から発生します。
初めは粘膜の中にとどまっていたがんが、大腸の壁のどのあたりまで入り込んでいるかということが、進行度を判断する基準のひとつとなります。
この基準は深達度(しんたつど)と呼ばれています。
2. リンパ節へ転移しているか
リンパ液(体内より排泄された物質を運ぶ液体)が通る管を、リンパ管と呼びます。
このリンパ管どうしがつながっているリンパ節に、大腸がんが転移することがあります。
リンパ節のがん細胞はリンパ液によって運ばれ、さらに離れたリンパ節へと転移していきます。
3. ほかの臓器へ転移しているか
大腸がんは、肺や肝臓、腹膜などに転移することがあります。
これら3つの状態によって進行度を表す「ステージ」が決定されます。
ステージは、ステージ0からステージⅣまでの5段階に分類されます。
ステージ0に近ければ、まだそれほど進行していない初期の大腸がんだといえ、反対に、ステージⅣに近づくほど進行しているといえます。
このように、精密検査によってステージが決まります。ただし、手術後の病理検査でさらに詳しいことがわかることもあります。そのため、手術の前後でステージが違ってくることがあります。
ステージ別の生存率
生存率とは、がんと診断された患者さんのうち、ある時点まで生存されている割合のことです。
大腸がんのステージ別の生存率をみると、ステージ0やⅠのような初期の段階では、90%以上の確率で治ります。
ただし、ここで示されている生存率は、多くのがん患者さんの平均的な値です。患者さん一人ひとりの余命を決定づけるものではありません。
5年生存率
ステージ0 | ステージⅠ | ステージⅡ | ステージⅢ | ステージⅣ |
---|---|---|---|---|
94.0% | 91.6% | 84.8% | 77.7~60.0% | 18.8% |
出典:大腸癌研究会・全国登録2000~2004年症例
【みんなの声】大腸がんと診断されたときについて(2020年9月~11月投稿分)
2021.01.18
【検診】がん検診へ出陣じゃ「がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン」
2020.10.07