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HOME  >  患者さん・家族の闘病記  >  周囲の人にアドバイスをもらうことで不安は和らぎ、気持ちも前向きに 63歳男性の闘病記(2)

患者さん・家族の闘病記

公開日:2018.10.15

周りの人に支えられて治療も前向きに

周囲の人にアドバイスをもらうことで不安は和らぎ、気持ちも前向きに

手術前はどのように過ごされましたか?

大学病院ということもあり順番待ちがあったので、がんと診断されてから手術までは2ヵ月ほど期間がありました。その間に、大腸がんの手術を2回受けた親戚に何度か話を聞きました。体験談を聞くことで治療のイメージができましたし、「大丈夫。このとおり元気だよ」という言葉で、そんなに心配しなくてもいいのかもしれないと思うことができました。

手術とその後の状況を教えてください。

腹腔鏡を使った手術を受けました。手術を受けた当日は痛みがあってつらかったですが、翌日にはだいぶ軽くなっていました。手術翌日の午前中まではHCU(高度治療室)という特別な病棟に入っていましたが、午後には一般病棟に移って、夕方には歩く訓練を受けました。

入院中はどのように過ごされましたか?

手術したら運動に制限があり、ずっと寝ていなければならないと思っていましたが、実際は院内を歩き回ることもでき、思ったより自由に過ごすことができました。
また、看護師さんと話したり、談話室に行って先輩患者さんの話を聞いたりしました。やっぱり入院は普段の生活とは全く違うものなので、どうすれば少しでも自分らしく過ごせるかを考えてみるといいと思います。私の場合は一人でいても気分がふさぎこむということがわかっているので、点滴を打っている状態でも談話室に出向くようにはしていましたね。

看護師さんや先輩患者さんとはどのような話をされましたか?

看護師さんには、病状や血液検査の結果など、疑問に思ったことを質問していました。看護師さんから「今日の調子はどう?」といった感じで気さくに声をかけてもらえることが多かったので、質問しやすかったですし、丁寧に答えてくれました。
また、病院には先輩患者さんがたくさんいて、療養生活について相談すると、「そういうときはこうすればいいよ」といろいろなアドバイスがもらえました。皆さん実際に大腸がんを体験されているので本当に参考になりましたね。なにより、いろいろな人と会話することで気分も明るくなる気がしました。

再発を予防するため、抗がん剤治療(術後補助化学療法)を選択

手術の後は、何か治療を行いましたか?

主治医の先生から術後補助化学療法について説明を受けました。「再発のリスクを少しでも減らすためには術後補助化学療法を受けたほうがいいと思います。ただ、デメリットとして抗がん剤の副作用がありますので、受けるか受けないかは山口さんご自身で決めてください」と言われました。私としては再発が心配でしたので、その場で術後補助化学療法を受けることに決めました。2週間に一度、3時間くらいの点滴注射を外来で受け、その後は一定量の抗がん剤を注入する携帯用ポンプ(500mLのペットボトルくらいの大きさ)を46時間ほどつけて自宅での点滴を行いました。期間は6ヵ月間でした。

術後補助化学療法は大変でしたか?

手のしびれというか、冷たいものを触るとピリッとなったのと、多少脱毛がありました。また、点滴をしている間は、だるさを感じました。ですが、幸いにも、重い副作用は出ませんでした。重い副作用が出たときには一時的に治療を休むこともあるようですが、私の場合は一度も休むことなく治療を継続でき、主治医の先生からも「けっこう珍しいんですよ」と言われたくらいでした。
治療を始める前に病院から説明資料をもらい、どんな副作用があって、どのくらいの時期に現れやすいかわかっていたので、副作用が現れても「ああ、これのことか」と不安になることはありませんでした。その他にも疑問に思ったことは主治医の先生や看護師さんに相談していたので、前向きに治療に取り組めたと思います。また、あまりくよくよ考えないようにもしていました。「つらいけど、点滴を受けているときだけ、半年間だけ」といった具合です。

術後補助化学療法を受けている間は、お仕事はどうされていましたか?

2週間に3日お休みをいただきながら継続しました。友人も含め、職場には感謝しています。

術後補助化学療法を終えて、以前と変わらない生活に

術後補助化学療法を終えて、今の状況を教えてください。

今は、治療前とほとんど変わらない生活を送っていますね。お酒もたしなむ程度に飲んでいます。ただ、私が糖尿病であることも理由だと思いますが、野菜をなるべく多く摂れるように、妻が食事に気を遣ってくれています。私も感謝して、いつも残さず食べるようにしています。
手術からまだ3年で再発の不安はありますが、定期的に検査を受けているので、再発したとしても早く見つけてもらえると思っています。

ご家族の様子はいかがですか?

妻は手術前と変わらず、普通に接してくれています。はっきりとは言わないですが、治療が終わったことを喜んでくれているようです。

今もお仕事はされているのでしょうか?

手術から1年ほど経ったころに、会社都合で友人の町工場を退職することになりました。その後は新聞の求人広告で見つけた、週3日程度で働ける派遣業務をしています。新しい職場にはがん治療をしたことは伝えておらず、特別な配慮はありませんが、自分の都合で勤務日数などを調整してもらえるため、体調にあわせて働くことができるのが今の自分にあっていると思っています。

大腸がんの患者さんとご家族へのメッセージ

前向きに治療に取り組むことが一番だと思います。一人で悩んでいても答えが出ないこともありますし、気分が落ち込むこともあります。周囲の人や医療従事者の方に相談し、わからないことを聞くことで、不安が解消されることもありますし、何より気分転換になると思います。手術や術後補助化学療法ではつらいときもありましたが、周囲の人に相談し、支えてもらったおかげで、前向きな気持ちで乗り越えることができました。
また、大腸がん検診を受診していなかったことは後悔しているので、受けていない人には定期的に検診を受けていただきたいですね。私の場合は内視鏡検査を3度も受けた後に手術することになりましたが、もっと早くに検診を受けていれば1度目の内視鏡検査でがんを取れていたかもしれません。定年まで忙しくて検診を受けられなかった人でも、定年を機に受けてみることをお勧めします。また、私の場合はかかりつけの先生から勧められたことがきっかけで大腸がんを発見できましたので、がんに限らず、普段から健康について相談できる、かかりつけ医を持つことも大切だと思います。

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当ウェブサイトは、大腸がんやその治療法などに関する一般的な情報を提供するものであり、特定の治療法などを推奨するものではありません。病状や治療法などに関しての判断は、担当医またはかかりつけの医療機関にご相談ください。