医療従事者インタビュー
公開日:2012.03.30更新日:2017.10.27
EBM・標準治療とは
目次
- 1.EBMの考え方と、その目的
- 2.新しい治療法が標準治療として認められ、推奨されるまでの過程
- 3.標準治療に関する知識を身につけるには
インターネットなどのメディアの普及により情報が氾濫している現代では、どれが信頼できる情報なのかを、見極めることが大切です。やはり人から伝え聞いた情報よりは、診療ガイドラインを直接確かめて得た情報のほうが信頼できます。一般の方向けの診療ガイドラインの解説としては、『患者さんのための大腸癌治療ガイドライン』(大腸癌研究会)を見てみるとよいでしょう。ほかにも財団法人日本医療機能評価機構が運営する医療情報サービスMindsには、『Mindsやさしい解説 大腸がん・大腸がん検診』が載っているので、ぜひご活用ください。
治療に関する判断をご自身が下すときの、根拠として役に立ちます。患者さんは、診療ガイドラインの内容をすべて理解する必要はありません。がんはどこまで進行しているのか、転移はしているのか、標準治療は何か、などを把握できていれば、治療の選択肢について医師と話し合うことができます。疑問があれば、診療ガイドラインを見ながら、主治医に相談すればいいのです。そして帰ってから家族と相談し、次の外来で主治医とまた相談する。場合によっては、セカンドオピニオン(治療について迷ったときに、主治医ではない別の医師に意見を求めること)を受けることもできます。そうやって患者さんは、繰り返し相談しながら、自分の状況を正確に把握し、医師とともに自分に最適な治療法を決めていけばいいと思います。
医療において患者さんに必要なのは「治療を受けるのは自分、治るのも自分」という意識です。「治療を受けさせられている」という考えでは、治療はうまくいきません。患者さんには、納得して前向きに治療を受けてもらいたいです。
【お話をうかがった先生】
財団法人日本医療機能評価機構EBM医療情報部サービスセンター(Minds)部長
大腸癌治療ガイドライン作成委員(ガイドライン作成方法論)
吉田雅博先生
富山医科薬科大学(現富山大学)卒業
国際医療福祉大学臨床医学研究センター教授
化学療法研究所附属病院一般外科部長(兼)人工透析センター長 など