公開日:2022.07.11
【仕事】
大腸がんと診断されても仕事を続けていくには?治療と仕事の両立
多くのがん患者さんが、治療をしながら仕事を続けています
がん患者さんの3分の1は20代~60代の働く世代であり*1、推計で44万8000人の方ががんの治療で通院しながら仕事をしています*2。
大腸がんにおいては、その治療法の進歩や、通院治療が中心であることなどから、多くの場合で治療をしながら仕事を続けることが可能になってきています。
がんと診断されたからといって、すぐに仕事を辞めるという決断は避けましょう
その一方で、がんと診断された時に仕事をしていた方のうち19.8%の方が退職あるいは廃業しており、そのうちの56.8%の方は、治療を始める前に退職あるいは廃業しているという調査報告があります*3。
がんの治療をしながら働くとなると、さまざまな問題を伴うかもしれませんが、働くということは、社会や人との接点であり、生きがいになることもあります。さらに、治療を続けるには、どうしても医療費が必要になってきます。経済的な支えという点でも、仕事を続けていくことには大きな意味があります。
このようなことから、がんと診断されたからといって、すぐに仕事を辞めるという決断は避けたほうがいいでしょう。治療か仕事かという二者択一で考えず、まずは治療と仕事を両立する方法を模索してみてはいかがでしょうか。
がん治療と仕事を両立していくために
では、がん治療と仕事の両立をどのように実現していけばよいのでしょうか。両立していくためには、治療スケジュールや治療の影響などを考慮し、職場に業務内容などを配慮してもらう必要があります。まずは「主治医」と「職場の相談窓口(産業保健スタッフ、人事労務担当者など)」に相談してみることから始めてみてください。
がん治療と仕事の両立支援については、社会的にも環境が整備されつつあります。厚生労働省は、治療しながら働く人を応援する情報ポータルサイト「治療と仕事の両立支援ナビ」を開設していますので、相談先が分からない、どのような手続きが必要なのか、といった困りごとがあるときに、ぜひご活用ください。あなたの申し出から両立支援はスタートします。
- *1 出典:厚生労働省『平成31年全国がん登録 罹患数・率 報告』
- *2 出典:第13回都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会資料(厚生労働省『がん患者・経験者の治療と仕事の両立支援策の現状について』)
- *3 出典:国立がん研究センターがん対策情報センター『平成30年度患者体験調査報告書』
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