公開日:2016.05.25
【治療全般】
「かかりつけ薬剤師」とは?
かかりつけ薬剤師とは、患者さんが使用する薬について一元的・継続的にチェックをしたり、薬物治療などについて相談に乗ったりする身近な薬剤師のことです。
また、高齢化社会を迎え、病院や薬局などが連携し、住み慣れた地域で医療・介護を含めたサービス体制を整えることが厚生労働省の方針として掲げられており、このなかで、かかりつけ薬剤師は、地域医療に貢献する一員として位置付けられています。
このような背景から、2016年4月の診療報酬改定では、かかりつけ薬剤師の普及・定着を目指して、患者さんご自身がかかりつけ薬剤師を選択する制度が導入されました。
かかりつけ薬剤師の役割
かかりつけ薬剤師の役割には、次のようなものがあります。
- (1)服薬情報の一元的・継続的なチェック
- かかりつけ医との連携やお薬手帳などの利用により、患者さんが複数の病院で処方された薬を一元的・継続的にチェックして、同じ作用の薬を重複して服用したり、飲み合わせの悪い薬を服用することを防ぐ
- 患者さんの薬歴(処方された薬や対応の記録)を作成して、薬剤管理や服薬指導を行う
- (2)24時間対応・在宅対応
- 休日・夜間を問わず、薬に関する電話相談を受け付ける体制を提供する
- 患者さんが在宅療養中の場合は、患者さんの自宅で薬剤管理や服薬指導を行う
- (3)医療機関などとの連携
- 必要に応じて、処方医に処方の変更を提案する
- 薬に関する相談や健康相談に対応し、必要に応じて医療機関への受診を勧める
抗がん剤を服用している患者さんにとっては、副作用に特に注意が必要であるため、かかりつけ薬剤師は心強い存在と考えられます。また、抗がん剤以外にも複数の薬を服用している場合には、服用するすべての薬を一元的・継続的にチェックしてもらうことで、抗がん剤による効果を最大限に得られるようになります。
今後薬局に行ったときに、かかりつけ薬剤師について説明を受けることもあるため、まずは、かかりつけ薬剤師の役割について知っておくと良いでしょう。
診療報酬改定とは
患者さんが病院や薬局で支払う医療費は、診療報酬制度に従って金額が決定されています。診療報酬の内容は、国民皆保険制度を維持し、安心・安全で質が高い医療を継続的に受けられるようにすることなどを目的に、2年に1度見直しが行われています。この見直しのことを診療報酬改定といいます。
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