公開日:2016.01.18
【治療全般】
「全国がん登録」とは?どんなことがわかるの?
「全国がん登録」とは、2016年1月から開始された、がんと診断されたすべての人のデータを国がまとめて集計・分析・管理する仕組みです。これまで、がんと診断された人のデータは都道府県別に集められていたことや、すべての病院がデータ登録に協力していたわけではないことから、すべてのがん患者さんの情報を正確に集めることはできていませんでした。そこで、国は法律を整備し「全国がん登録」が開始されることになりました。
全国がん登録の目的は、がん登録によって得られた統計データを、より良い治療法の確立や予防・検診などのがん対策に活用することです。そして、がんになる人を減らしたり、がんから治る人を増やしたり、あるいはがんになっても長生きして苦痛の少ない生活を過ごせる社会を実現する一助とすることです。
全国がん登録でわかること
全国がん登録でわかることは、罹患数(毎年どのくらいの人が新たにがんと診断されているか)や、生存率(がんと診断された人がその後どのくらいの割合で生存しているか)、治療効果などです。例えば、生存率は、医師と患者さんが治療方針を考える上で有用な情報の1つになります。
また、全国がん登録のデータを他のデータと組み合わせて分析することで、以下のようなこともわかるようになります。
- がんにかかる原因は何か?
- 効果的ながんの予防法は何か?
- どの年代の人にどのようながん検診を実施するのが効果的か?
- がん診療連携拠点病院や医療者の数は足りているか?
- など
このように、全国がん登録によって得られた統計データは、さまざまな場面で役立つことが期待されます。
がん登録の流れと個人情報保護について
病院や診療所でがんと診断されると、その人のがんに関するデータが、各医療機関から都道府県を通じて、全国がん登録データベースに登録されます。そして、集められたデータを分析することで得られる統計データは、国立がん研究センターがん対策情報センターのWEBサイト「がん登録・統計」で公表されるとともに、がん対策などに役立てられます。
個人情報が漏えいし、患者さんのプライバシーや権利が侵害されないように「がん登録等の推進に関する法律」において、個人情報の保護や管理、さらには罰則規定が定められています。
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