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HOME  >  医療従事者インタビュー  >  ご家族が、患者さんにできることは? 小川朝生先生(3)

医療従事者インタビュー

がん患者さんとご家族の心のケア

ご家族向け

ご家族は、そばにいてあげれば、それで十分。

がん患者さんのご家族は、どのような不安や悩みを抱えることが多いでしょうか?

がんと告知されてからしばらくの間、患者さんは不安や落ち込みから心が動揺して、泣いたり怒ったりすることがあります。この時期にご家族の多くは、「これから先、ずっとこのままの状態だったらどうしよう」と心配し、患者さんとどう接していいのかわからなくなるものです。そんな方には、「告知後の患者さんの不安や落ち込みは通常2週間ぐらいで治まるので、このままずっと同じ状態が続くことはありません」と説明しています。

ご家族は、患者さんとどのように接すればいいでしょうか?

基本的には、患者さんのそばにいて、話に耳を傾けるだけで十分です。患者さんは、自分の気持ちをご家族にわかってもらいたいと思っています。ですから、患者さんが言うことを否定せずに耳を傾けて、共感する姿勢を示すと、患者さんも安心されます。

患者さんと接するうえで、心がけることがあれば教えてください。

ご家族は良かれと思って、「こうしたほうがいい」というアドバイスをしがちです。しかし、不安を抱えている時期の患者さんは、そう言われると「自分の気持ちをわかってくれていない」と感じてしまいます。また、「頑張れ」と励まされると、「これ以上、どう頑張ればいいのか」と思ってしまいます。

患者さんとご家族の間で気持ちのすれ違いが生じて、ケンカになることも珍しくありません。実際に、がんと告知された奥さんがご主人を連れて精神腫瘍科にいらっしゃって、「アドバイスや指示ばかりで気持ちをわかってくれない夫に、私への接し方を指導してください」というケースもあります。それくらい、患者さんのご家族に対する「自分の気持ちをわかってもらいたい」という思いは強いものです。

がんの告知から2週間ほどがたち、気持ちにゆとりが出てきた患者さんは、自分で情報を集めたり、専門家の意見を聞きたがったりするようになります。アドバイスなどをするのはそのときまで待って、患者さんご本人が望むのであれば、その道筋をつける手伝いをしてあげてはいかがでしょうか。

ご家族の方も情報収集をすることがあると思いますが、その際に気をつけることはあるでしょうか?

インターネットで情報収集をする際は、その情報が信用できるかどうかに注意する必要があります。がんの治療では、エビデンス(科学的根拠)が重視されますが、個人のブログなどの中には、エビデンスが不確かなものもあります。がん診療連携拠点病院にある相談支援センターでは、がんの治療や生活などに関することだけでなく、信用できる情報の集め方についても相談できるので、アドバイスを求めてもいいでしょう。

そのほかに、ご家族が患者さんにできることはあるでしょうか?

がんであることが親戚などに伝わると、まわりの方々が親切心から、今受けている治療とは異なる治療法や健康食品などを勧めてくることがあります。これを断ることは、患者さんにとってストレスとなるので、かわりにご家族が断って、患者さんの負担を軽くしてあげてください。このように、自ら望まない情報が患者さんに届いてしまうのを防ぐのも、ご家族ができることの一つだと思います。

患者さんのご家族ができること

  • 患者さんのそばにいて、話に耳を傾ける
  • 患者さんが不安を抱えている時期は、アドバイスを控える
  • 患者さんから情報収集などでアドバイスを求められたら、サポートする
  • まわりの人からの治療法や健康食品などに関するアドバイスで患者さんが困らないようにする

    …など

ご家族の心の負担は、患者さん以上とも。生活のペースを崩さないことが大切。

ご家族にもストレスはかかっているのでしょうか?

ご家族の心の負担は、自分が患者さんを支えなくてはならないという思いや、経済的な問題、社会的な問題などから生じます。ご家族の抱える精神的ストレスは、がん患者さんよりも強いという研究報告もあるぐらいです。不安や焦燥感で眠れない、落ち着かない、息苦しいといった症状が現れたら、いつでも主治医に相談してください。

外来化学療法のメリット・デメリット

  • 治療開始前と同じように日常生活を送れる
  • 入院生活による精神的な負担がかからない
  • 病状によっては仕事を続けることが可能
  • めまいがする
  • 冷や汗をかく

…など

ご家族が自分自身でできる、ストレス対処法があれば教えてください。

ご自身の生活のペースを崩さないことが大切です。患者さんが大変なときに、自分がのんびりしたり、休んだりするのは不謹慎だと考えて、頑張りすぎてしまうご家族もいらっしゃいます。しかし、がんとの付き合いは長期にわたるものなので、100メートル走ではなくマラソンのつもりで走らないと、絶対に途中で息切れしてしまいます。

また、可能であればご家族も、悩みごとや愚痴などを話せる、自分にとってのサポーターがいると心強いでしょう。そういう人がいれば、ご家族のストレスが軽くなって、結果的に患者さんのためにもなります。

最後に、患者さんを支えるご家族へメッセージをお願いします。

ご家族の悩みは、患者さんが告知されたときや、患者さんと何を話せばいいのかわからないと感じるときなどに、確実に存在します。それにもかかわらず、「病院は患者のための場所だから、家族である自分の悩みなんかは相談できない」と誤解している方が少なくありません。がんの治療現場において、ご家族への支援は、当たり前のように行われています。主治医だけでなく、緩和ケアチームや精神腫瘍科、相談支援センターでも相談することができます。悩んだときには、ぜひ活用していただけたらと思います。

【お話をうかがった先生】

国立がん研究センター東病院
精神腫瘍科長(先端医療開発センター精神腫瘍学開発分野長 併任)
小川朝生先生

  • 大阪大学医学部 卒業
  • 日本精神神経学会 精神科専門医、指導医
  • 日本医師会 認定産業医
  • 日本臨床神経生理学会 臨床神経生理学会認定医  など

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