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HOME  >  患者さん・家族の闘病記  >  術後補助化学療法を決めるまでと、治療中の生活 55歳の闘病記(2)

患者さん・家族の闘病記

公開日:2012.09.26

「絶対に大丈夫」と思い続けることができたのは、家族のおかげ

術後補助化学療法を決めるまでと、治療中の生活。

化学療法の先生から、どんなお話があったのか教えてください。

最初の面談のときに、いくつかある治療法の特徴について説明していただきました。それぞれの治療法ごとに特徴があり、どの治療法にするか、すぐには決められませんでした。先生は「わからないところがあれば相談してください。でも、治療法はご自身が納得したうえで、ご自分で決めてください」とおっしゃっていましたね。

何が選択の決め手になりましたか?

なかなか決めきれなくて、「先生だったら、どの治療法をやりますか?」と聞いたんです。そのとき先生が、大きく分けると2つの選択肢があって「僕だったら、こちらを選びます」とおっしゃっていて、その理由は「こちらのほうが、再発する確率が約5%低いから」ということでした。約5%と聞いたとき、最初は「たかが5%」と思ったのは確かです。でも母を胃がんで亡くしていましたし、「父より先に逝くような親不幸はできない」という思いが強くなってきて、「たとえ5%だけでも、再発する確率が下がるのであれば」と思い直したのが、決め手になりました。それに、「あのとき、やっぱりこっちを選んでおけばよかった」と後で思うのは嫌だったんです。

最終的に選ばれた治療について、副作用などの不安はありませんでしたか?

副作用については、「この治療法は、手や足のしびれが出てきますが、化学療法をちょっと休んでまた始めれば大丈夫ですよ」とおっしゃっていました。また、この治療法は、長時間の持続点滴注射を行うため、鎖骨あたりにポートを埋め込む必要がありましたが、特に抵抗はなかったですね。若い頃だったら、傷がつくのは嫌だと思ったかもしれませんが、「まあ、いいや」という感じでした。再発させないために必要な治療なので、そんなに嫌ではなかったですね。

術後補助化学療法の治療中は、もうお仕事には復帰されていたのでしょうか?

手術後2ヵ月ぐらいしてから、仕事に行っていました。復帰してしばらくは疲れやすかったので、早めに帰らせてもらっていました。長時間の持続点滴注射を行うために、500mlペットボトルぐらいの大きさで、薬液が入った携帯用ポンプを腰にさげていました。携帯用ポンプは、あまり目立たないものでしたし、がんを患っているので、こういうのが当たり前なんだと思っていました。

副作用で大変だったことはありますか?

手や足がしびれましたが、耐えられないほどではありませんでした。みんな多少はしびれが出るらしいので、「そういうものなんだろう」と思って。そこが性格なんでしょうけど、我慢強いほうなのかもしれません。きちんと最後まで続けたらより効果があるんだろうと思って、「ちょっとしびれはあるけど、このぐらい大丈夫です」と先生にお伝えしていました。最後まで治療を続けられたのは、「再発を防ぎたい」という思いを強く持っていたからです。やれることを全部やらないで後悔したくなかったんです。

何よりも心強かった、家族の「絶対に大丈夫」という言葉

お母様を胃がんで亡くされていると伺いましたが、
ご家族は、当然そのことも頭をよぎったのではないでしょうか?

本人たちに聞いてはいませんが、「それほど長くは生きられないかもしれない」というのは、想像していたかもしれないですね。でも、姉や弟は、手術後も「全部きれいに取れたみたいだし、絶対に大丈夫だよ」と言ってくれました。

治療の方針や悩みごとの相談もご家族にされていたのでしょうか?

そうですね。おかげさまで、兄弟の仲も良く、みんな近くに住んでいるので。姉や弟は、インターネットで調べたり、知り合いの方からお話を聞いたりして、治療について情報を集めてくれました。まわりのサポートがあったから、安心して治療を受けられたのかもしれないですね。

大腸がんと向き合っていくうえで、一番大切なことは何だと思いますか?

ポジティブでいることですね。「絶対に大丈夫」と思い込むこと。私の場合、その意識を持てたのは、家族の存在が大きかったですね。治療に向かう気持ちが強くなったのは、「父より先に逝くことはできない」と改めて強く思うようになってからです。それに姉や弟は、「大丈夫、絶対に大丈夫」とずっと言い続けてくれました。自分では大丈夫だと思っていても、やはりどこか不安なんでしょうね。家族が「絶対に大丈夫だから」と言ってくれていたのは、本当に心強かったですね。

大腸がんの患者さんとご家族へのメッセージ

たとえ副作用やポートの埋め込みなどの不安はあったとしても、最終的には再発する確率の低さで治療法を選べたことは、満足のいく選択でした。後悔しない選択をするには、「前向きな気持ち」が欠かせません。家族の声には背中を強く押してくれる力があるので、病気の当人が弱気になっているときは、特にありがたいものです。

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当ウェブサイトは、大腸がんやその治療法などに関する一般的な情報を提供するものであり、特定の治療法などを推奨するものではありません。病状や治療法などに関しての判断は、担当医またはかかりつけの医療機関にご相談ください。